『同棲は逃げじゃない』毒親から逃げて同棲しようとする人へ、知恵袋や小町を見て思ったこと
2017年1月18日水曜日
「毒親の支配下にいる自分が、逃げるために彼と同棲をしたい」
という内容の相談には必ずといっても過言ではないほど、
「なぜ一人暮らしをしないのか、まずは自立しなさいよ」
「大人になったら自立するのが当たり前だろ」
という回答が上がる。
実生活でもそういうしゃべり方してんの?
この言葉は質問者を傷つけるということを、回答者は分からないのだろうか。
『正論』ではある。でもそれは回答者にとっての、だ
質問者の状況は回答者とは違う。
ネットで、回答者側にキケンも責任もないから
回答のような高圧的で一方的な物言いになるのだろうか
実生活でもそういう風にしゃべってんのか?
「うんうん、そっか悩んでるんだぁ~、ちなみに、一人暮らしってしたことあるの?o(●´ω`●)o」
とかって、意外と良い聞き役だったら草
アンチの場合は傷つけるのが目的だから、この場合は除外。
そうじゃなく、『いいアドバイスをしてあげた』と思う回答者の場合。
毒親に支配された子供側からの反論
親に支配されて育った私達にとって、社会に出るというのは恐ろしい行為なのだ。
先ほどの回答者のような人達は
『意思をもって行動するということは、親に咎められるということと同義』だという状況を想像できるだろうか
そこらへんに居る大人全てに親を投影してしまい、何をしても不安で仕方がないのに、
社会では一人前のように扱われる。
だから例えば褒められたりしても、
「自分の意思で行動してしまったのに、褒められるなんて有りえない。何か裏があるのだろうか…
もし本当に評価してくれているんだとしたら、この期待を絶対に裏切れない。
ちょっとでも裏切る行動をしたら、意思を持って行動したこと自体を咎められることになってしまう…」=ダメな子だと思われる
という感情が働く。すると、相手から見た『評価された自分』を
自分なりに想像し、それを維持するために、
過剰に頑張る。
自分の些細な行動
(挨拶や、「はい」という表情や声のトーン、歩き方、手のもじもじの仕方、飲み物のセレクトなどなど)
全てを気にして、その都度相手の顔色をうかがってしまう。この細かさは辞めようと思ってできることではない。
そしてある日ぷっつりと糸が切れてしまったようにものすごく心が言うことをきかなくなる。
それでも一生懸命頑張ろうとする。頑張らないといけないから、本心は存在しないことにする。
例えるなら、
ガソリン入ってないのに、気にせず高速に乗ろうとしている車のような状態。
後ろにも前にも車が居て、逃げられないし、誰かからいい走りを期待されている。
絶対高速に入らないといけない。最後まで他の車と同スピードで走り切れるはず。と信じている
でも結局ガス欠で動けなくなって、他の車に迷惑をかけることになる。
迷惑かけるって分かってるならやめとけよ
って話だけど、動けなくなるなんて想像もしてないのだ。
なぜかというと、先ほど
「頑張らないといけないから、本心は存在しないことに」
したからだ。ガソリンがないよ~って車(自分)からのSOSは無視。存在していないから。
この思考はある日急に新しくできたものではない。というのが問題だ。
成長する中で家庭の当たり前のルールとして遵守してきたことを突然否定しようとしても
どこがどう間違っているかなんて、自主的にはもう分からないのだ。
だから、誰かに止めてもらわないとダメで、
自分を保つためには誰かの抑止や励ましが必要なのだ。
毒親に召集されると、一人暮らしの場合、高確率で応じてしまう。
生まれた時から体に刷り込まれているから、応じないと大変なことになると本気で怯えている。
だが、それを止めてくれる人と生活していれば、もし応じてしまって傷ついて帰ってきても
救いはあるのだ。
同棲は『逃げ』じゃない
毒親持ちで、同棲をする一部の人が
「同棲に逃げました」
という表現を使うのも気になる。
「毒親から逃げて、同棲しました」なら分かる。
なぜ同棲をすることの方が逃げなのだ
私は同棲することで、「毒親から逃げることができました」と声高に言っている。
存在するもの(文章)以外にも背景がある
質問文からだけだと充分に質問者の環境や心情を汲み取れないのは当たり前だ。
その上で、それは世間的に見たらどうなの?という部分を正論で叩く。
なぜ質問者に対して補足質問をしないのだろう。
回答が記名制になって個人情報までさらされるなら
回答ももっと慎重になるのだろうか
現状では難しいだろうが、
回答者にはもう少し寛容になってもらいたいものだ。